ぺジニョンとワナワン - プデュ2が生んだ伝説の軌跡と現在地

ぺジニョンとワナワン - プデュ2が生んだ伝説の軌跡と現在地

ぺジニョン ワナワン K-POPアイドル

2017年の夏、韓国のK-POPシーンに11人の若者が彗星のごとく現れた。彼らの名はWanna One(ワナワン)。そのメンバーのひとりが、圧倒的なビジュアルと内に秘めた成長力で多くのファンを虜にしたぺジニョン(ベ・ジニョン / 배진영)だ。最初はステージ上で目線すら上げられなかった少年が、K-POPを代表するアーティストへと変貌を遂げた話は、今も語り継がれている。

ぺジニョンとは? - 基本プロフィール

ベ・ジニョンは2000年5月10日生まれの韓国の歌手・俳優で、男性アイドルグループCIXおよびWanna Oneの元メンバー。身長180cm、血液型はB型だ。ソウル特別市中区出身で、芸能界入りを志して10代のうちからC9エンターテインメントの練習生として腕を磨き続けた。ルックスの美しさはトップクラスという評価を早くから受けていたが、自信のなさが最大の壁だった。

ジニョンはWanna Oneの時もCIXのメンバーとなってからも、周りからストイックだと言われていた。完璧主義で真面目だからこそ、自分が関わるものに関しては手を抜きたくないのだという。その姿勢は練習生時代から一貫しており、弱点をひとつひとつ克服してきたことが後のキャリアを支える礎になっている。

PRODUCE 101 Season2 - "ぺジデレラ"の誕生

PRODUCE 101 Season2 オーディション番組

Wanna Oneは、Mnetで2017年4月7日から6月16日まで放送されたサバイバルオーディション番組「Produce 101 Season2」を通じて結成された。101人の練習生たちが毎週視聴者の投票によってふるいにかけられていくこの番組で、ぺジニョンは当初、その存在感を十分に発揮できていなかった。

「PRODUCE 101 Season 2」の番組内では度々自信のなさが露呈し、評価を下げてしまう場面が多くみられた。しかしそこで諦めず、自分の弱さと向き合い続けたことも評価され、最終順位では10位をつかみ取り、念願のデビューを果たした。その変化のドラマが「ペジデレラストーリー」と呼ばれ、視聴者の心を強く掴んだ。

順位の変動は激しかった。5位スタートから12位、14位と落ちる場面もあり、ファンをやきもきさせた。もともとビジュアルはトップクラス、歌とダンスのレベルも高く、あとは自信をつけるだけだったぺジニョンは、弱点を克服し最終的に10位でフィニッシュしてワナワンのメンバー入りを果たした。番組終盤の「Hands On Me」評価でセンターポジションを獲得したシーンは、今でも語り草になっている。

Wanna One(ワナワン)の全貌

グループは11人のメンバーで構成された。カン・ダニエル、パク・ジフン、イ・デフィ、キム・ジェファン、オン・ソンウ、パク・ウジン、ライ・グァンリン、ユン・ジソン、ファン・ミニョン、ベ・ジニョン、そしてハ・ソンウンだ。

Wanna Oneは2017年8月から2019年1月まで512日間という短期間の活動を行った11人組の男性アイドルグループで、デビュー後4か月で31個ものトロフィーを獲得するなど高い実力を持っていた。EXOやBTSと並んでK-POP3大ボーイズグループとして人気を博した。これほどの記録は、期間限定グループという制約を考えれば驚異的だ。

グループのデビュー曲「Energetic」は、PENTAGONのリーダー、フイとFlowBlowが作曲し、フイとウソクが作詞したもので、デビューEP「1×1=1(To Be One)」に収録された。この曲はビルボードの音楽評論家が選ぶ「2017年K-POP最高の歌20曲」でも1位に選ばれた。まさに時代を象徴する一曲となった。

初アルバムとそのリパッケージの合算売上枚数で、Wanna Oneはデビューアルバムで100万枚を突破した韓国で3番目のグループとなり、1992年のソ・テジ・アンド・ボーイズ以来初めてその記録を達成した。その後も快進撃は続き、韓国企業評判研究所が発表する「ボーイズグループブランド力ランキング」で4か月連続トップを獲得するほどのブランド力を誇った。

ぺジニョンのワナワンでの役割

ワナワン グループパフォーマンス ステージ

ぺジニョンはWanna Oneでサブボーカルとリードダンサーを担当し、Wanna Oneになくてはならない唯一無二の魅力でファンを魅了した。グループ内でのポジションは地味に見えるかもしれないが、ステージ全体のビジュアルバランスを保つ上で彼の存在感は際立っていた。

ジニョンのハスキーボイスはいつも印象を残すものだった。Wanna Oneでこそダンスが得意なメンバーが多かったため、ダンスメンバーというイメージはあまりなかったかもしれないが、CIXとしてデビューしてからはセンター、そしてリード(メイン)ダンサーとしてグループを引っ張ることになる。

ワナワン解散とその後の再出発

2018年12月18日、Swing Entertainmentはグループの契約が当初の予定通り2018年12月31日に終了するという公式声明を発表した。期間限定グループとしての宿命とはいえ、解散を惜しむファンの声は韓国内外で大きく広がった。

Wanna Oneは惜しまれながらも約1年半の活動期間を経て、2019年1月27日に解散した。メンバーたちはそれぞれ様々な事務所に所属していたため、今後の活動にも影響があるという理由から、結成時から活動期間が決められていた。

解散直後、ぺジニョンは2019年4月にアジアファンミーティングツアー「IMYOUNG」を発表し、韓国、フィリピン、日本、シンガポール、タイ、香港でファンミーティングを行った。同年4月16日には1stシングルアルバム「Hard To Say Goodbye」を発売し、ソロデビューを果たした。その後、2019年1月のWanna One解散後、ジニョンはC9エンターテインメントに戻り、同年7月にCIXのメンバーとしてデビューした。CIXは5人組ボーイズグループとして「Movie Star」でデビューし、コンセプチュアルな楽曲とパフォーマンスでファンを獲得していった。

CIX脱退からソロへ - 新たな章

CIXとしてデビューしてわずか7日という短さで音楽番組で1位を獲得し、一気に人気グループの仲間入りを果たした。それほどの注目を集めたにもかかわらず、2024年8月、ジニョンはCIXからの脱退を発表した。5年間を共にしたメンバーと別れる決断は、相当な覚悟が必要だったはずだ。

ソロとして歩み始めたぺジニョンは、かつてとは別人のような自信を持っていた。彼は自らの変化についてこう語っている。「昔はステージで余裕がなかったように思います。今は楽しんでいます。自分が楽しんでいると、見ている人も一緒に楽しめるということを知ったからです」と、成熟した姿勢を見せた。

2025年11月には初のソロファンコンを開催し、CIX時代のファンも、Wanna One時代からの古参ファンも、そしてソロから入った新規ファンも一堂に会する空間になった。これは単なる公演ではなく、一人のアーティストとしての確かな地位を示す場となった。

ワナワン再結成 - 「Back to Base」プロジェクト

ワナワン 再結成 2026 リアリティ番組

2026年4月、グループはリアリティ番組「Wanna One Go: Back to Base」の一環として再結成した。カン・ダニエルは兵役、ライ・グァンリンは芸能界からの引退と映画監督への転身により、2人は短時間の出演にとどまった。

番組に合わせて「We Wanna Go」と「Spring Breeze, Again」というサウンドトラックシングルが配信された。再結成の知らせは世界中のWanna Oneファン、通称「ワナブル」を歓喜させた。ぺジニョン自身もWanna Oneメンバーへの深い愛情を公言しており、「3〜4年ぶりなのに全く気まずさがなかった」と、変わらぬメンバー間の絆を語っている。

ぺジニョンが持つ"強さ"の正体

オーディション番組で床を見つめ続けていた17歳の少年が、今やソロファンコンを満員にするアーティストになった。その変化の核心には何があるのか。「空白期間中、本当にたくさん考えました。これまではあまりにも自分を閉じ込めて生きていたように思います。以前は練習室だけを行き来し、事務所の上の階にはほとんど上がらなかったのですが、今回は自分から話しかけたり、冗談を言ったりしています」と、よりオープンになった自分を表現した。

Wanna Oneでの経験は、単なるデビューの機会にとどまらなかった。「僕がWanna Oneでデビューした2017年から、『初心』という言葉をよく使いました。それほど初心が重要だと考えています」と決意を新たにした。その初心こそが、CIXを経てソロへ至るすべての活動を支える根幹だ。

ぺジニョン-ワナワンが残したもの

ぺジニョンとWanna Oneの物語は、K-POPが単なる音楽ジャンルを超えた文化現象であることを示している。視聴者の投票によって生まれ、わずか512日で解散したグループが、これほど長く記憶される理由は何か。それはメンバー一人ひとりの、生身の成長と挑戦を国民が共に見届けたからだ。

ぺジニョンの軌跡はその象徴だ。プデュのステージで視線を落とし続けた少年が、今やソロアーティストとして堂々とファンの前に立つ。17歳でプデュのステージに立ち、Wanna Oneのビジュアルを担い、CIXで5年間を駆け抜け、そしてソロという新しい海に漕ぎ出した。ペ・ジニョンの8年間のキャリアは、常に「次」を選び続けてきた歴史だ。その選択の連続が、今のぺジニョンをつくっている。

ワナワンというグループが残したレガシーは、メンバーたちのソロ活動、再結成番組、そして世界中に散らばる「ワナブル」たちのコミュニティの中に今も息づいている。ぺジニョン-ワナワンの章は、終わったのではなく、形を変えて続いているのだ。

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